SENSUALISM

頭の中

征服欲と独占欲

アルゴリズムによって目にしたいもの
ばかりが自動的に画面に映し出される

インターネットポルノ
(ネットに蔓延る刺激的なコンテンツ)は
21世紀の誰でも手に入る麻薬であり、
思考の道筋を簡単な方へ、
考えなくていい方へ変えてしまう

電子機器を持つ者はそれらを
無限に摂取し放題である
つまり、多くの人類が何かの中毒に
染まる可能性を秘めている


自由恋愛がよしとされていない時代に
この"自由恋愛"という言葉が出来た

今では多くの人類にとって"それ"が
当たり前であり、誰に恋をし、
誰に思いを馳せようが自由である

外見だけで人を判断するルッキズムという
概念はSNSの登場で崩れつつあり、
未だにそれは色濃く残るが

今ではその人がどのような人か、
ある特定の場での影響力や支持が
重要視されている印象を持つ。

影響力がある者は無償の愛を
無条件に受け取ることが出来る

一瞬でも良く目に映れば
神格化したくなるのも常だと思う

反対にそうでない者は人に携帯されている
嫉妬や艶羨という感情に殺される

現代で、人はその人の持つ影響力に
恋をするのか、人としての魅力にハマるのか、

100万人から支持される人間が
別の世界線ではたった1人からも
支援されない人間だった場合

その人はそもそも世間から
見つかることもなければ
SNSから大衆にレコメンドされる訳でもなく、

愛情とは無縁の生活を歩む可能性だってある

改めて人は人に群がる野次馬性があり
輝くものの元に集まる習性があるのだと感じる

ミーハーが居なければこの世は成り立たず
経済も回らず、知らずのうちに
形成された偶像を崇拝することで
己の安寧を求めるのだと思う

オーディション番組が開催されれば
一時の熱狂で世間が騒ぎ

消えた人間が戻ってきたら
3日騒いですぐ存在を忘れたり

光るものと一瞬でも同質化出来れば
それでいいのだと思う

推しという概念は結局は
己の安寧の為に存在するものであり

それが多方面に存在する人間とは
自分自身の美学と人間性に合わない

これは否定ではなく自己の
安寧の為の綴りであり
最近の憂悶を晴らす為の打開の策である

この先、自分が影響力というものを持った時、
自分は根幹にあるこの考えを消さざるを
得ないのかどうかに恐怖を感じる

常に付き纏う不安と、その不安を払拭
する為の打開策として影響力を持った先に
幸せがあるかどうかも分からず

湿りのあるこの日常を潤す為の
人達との間に永遠なんてものが
あるのかも分からず、人生は改めて
とても難しいものだと感じる


人には人のポルノがあり、
構築されていた何かも
ふとした瞬間に崩れ去ることがある


自分自身の正しさを
伝えることによって愛を表現する人

暴力や束縛に頼り人との関係を繋ぐ人
そのアブノーマルさに高揚する人々

愛の形は人それぞれだが、
愛に本質があるとしたら

自己犠牲こそが愛であり、
自己を消費して虚無を感じる愛は
自分本位のオーガズムでしかないのだと思う

本当の意味で自分は
自分を見てくれている皆を愛せているか
どうかを考えた時に、妙に納得できたから

反対にそれだけ自分を見てくれいている
人も中にはいるんだなって考えることが出来た

お互いがそう思えたら、
それはどんなに素敵な関係なんだろうって
思うことが出来た。


今回のブログはフロムの名著をベースに
付き纏う悩みと「愛」について考えてみました。


才能の違い、感性の違い、
美の不均衡も、目に見えるものが違くても
無条件に博愛するのが愛であり、
それが幸福に生きる為の条件らしい。

ただ、自分はそれに納得のいくような
素直な感性は持ち合わせては
いないなと感じざるを得なかったな……

人には誰しも歪みがあり、
でも醜美のある歪みを持つ
人間は少ないと感じる


自分はそんな歪みのある人に魅力を感じる

だからこそ相対的にそんな魅力を感じ合える
人達にこの先も出会っていきたいなと思いました。



おわり。